プチ矯正症例40代女性 矯正前
プチ矯正症例40代女性 矯正前
今回はプチ矯正を応用した、かなり特殊な症例を紹介させていただきます。
混乱を招くことを危惧して紹介を断念しようかとも思ったのですが。。。
その理由はのちほどお話しさせていただきますね(^O^)
この患者様は、2年程前の5月に『右上前歯(黄色矢印の歯)の凹みが気になる』ことを主訴に来院されました。
上記写真をご覧ください。
右上の前歯(黄色矢印の歯)が左上前歯(緑色矢印の歯)よりも、かなり内側に位置しているように見えることが確認できます。
でも本当は左上の歯(緑色矢印の歯)が前方に位置しているので、黄色矢印の歯が凹んでいるように見えてしまっているだけなのです。
なお写真掲載に関しましては患者様の了解を得ております(^^♪
上記写真は上顎前歯のレントゲン写真です。
冒頭の写真で凹んでいるように見える歯は実は仮歯で、以前に通院されていた歯科医院で抜歯されており、両隣の歯と連結されておりました。
このレントゲン写真で分かることは、仮歯(冒頭の写真では黄色と緑色の歯)の根っこ付近に、2本の過剰歯<余分な歯 青色矢印の歯>が存在することです(T_T)
患者様は右上の前歯にはインプラント治療を希望されましたので、仮歯の下に埋まっていた過剰歯(青色矢印の歯)を1本抜歯いたしました。
もう1本の過剰歯(赤色矢印の歯)は臨床上問題ないので抜歯を見送りました。
左上は問題の過剰歯を抜歯した後のレントゲン写真です。
右上が数か月後にインプラントを埋入した後のレントゲン写真(黄色矢印)です。
埋伏していた過剰歯を抜歯した後はクレーター状に骨が欠損しておりましたので、多量の人工骨を使用したGBR<骨造成術>を併用するインプラント手術になりました。
左上が埋入したインプラントに仮歯を装着した口腔内を正面から見た写真です。
右上が前歯部のCT画像です。緑色矢印の歯が左上前歯で、これからプチ矯正によって内側に引っ込める予定の歯です。
ここで、この症例の紹介をためらった理由をお話いたしますね。
本来、プチ矯正で前歯の出っ歯を内側に引っ込める治療は出来ません。
アライナー矯正(当院ではスマイルトゥルー)や、ワイヤーを使用した全顎矯正の範疇です。
プチ矯正治療の適応は、前歯のガタガタや前歯に出来た隙間を埋めることなんです。
では何故この患者様の場合はプチ矯正で前方に出ていた左上前歯(緑色矢印の歯)を内側に引っ込めることが出来たのでしょうか?
それは右上前歯の治療にインプラント治療を選択されたからなんです。
インプラントは骨と結合するので強固な固定源になり、その恩恵を受けて左上の前歯(緑色矢印の歯)を内側に移動させることが出来たのです(^^♪
つまりこの症例自体がかなりのレアケースなんです。
再度右上の写真をご覧ください。
ここで注目していただきたいのがオレンジ色矢印の歯です。
このオレンジ色矢印の歯は抜歯を回避したもう1本の過剰歯です。
出っ歯改善予定の緑色矢印の歯の根っことオレンジ色矢印の過剰歯が離れているので、抜歯を回避いたしました。
当院ではインプラント治療をご希望の患者様全員に、CT撮影をお願いしております。
CT撮影により3次元画像での診断が可能になりますので、事故防止の為にもインプラント治療にはCT撮影が絶対に必要なんです。
左がプチ矯正治療を開始するために、上顎前歯にブラケットというボタンとワイヤーをセットした直後の写真です。
正面から見ると左上前歯(緑色矢印の歯)のいわゆる❝出っ歯具合❞があんまりよく分かりませんね(T_T)/~~~
でも右の写真をご覧いただくと・・・
左上の前歯(緑色矢印の歯)がインプラントに仮歯を装着した右上前歯(黄色矢印の歯)よりもかなり前方に位置しているのが分かりますね(^O^)
次回は、この患者様のプチ矯正終了後および全ての治療終了後の状態を、写真を交えて紹介させていただきますね(^O^)/
治療終了後の状態をご覧になりたい方は、以下をクリックしてください。
https://www.miraidc.com/blog/post-178/?pre=20200423122316
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