小児矯正症例 10歳6か月女性
小児矯正症例 10歳6か月女性
上記写真をご覧ください。
小児矯正治療を開始する前の、10歳6か月の女児の噛み合わせを撮影したものです。
上の前歯に隠れてしまって、下の前歯がほとんど見えません。
噛み合わせが深い“ディープバイト”状態で、最近の子供さんによく見られる噛み合わせです。
なお写真公開につきましては患者様ならびに御家族の方に同意いただいております。
『笑った時に上の前歯しか見えない』
『唇に力を入れないと口を閉じれない』
『いつも口が開いている』
『上の前歯が生えてきたら出っ歯になった』
など、患者様自らというよりは御家族の方が心配になって、子供さんを連れて来院される事が多いように思います。
この患者様も笑った時に上の前歯しか見えず、唇に力を入れないと口を閉じれない状態でした。
上記写真は前歯の噛み合わせを下から見上げた状態を撮影したものです。
前歯の噛み合わせが深い(ディープバイト)のため、下からのぞき込んでも下顎前歯の全体を視認できない状態であることが確認できます。
上の前歯が目立つので“出っ歯”と表現される方が多いと思われますが、実は下顎が後ろに引っ込んでいるために、上顎が前に出ているように見えるだけなのです(下顎の劣成長)
そもそも現代人は、固いものや歯ごたえのある物を食する機会が減っており、顎が退化傾向にあると言われておりますので、上顎の過成長による上顎前突(真性の出っ歯)の方はあまり見受けられません。
左上は小児矯正治療開始前の上顎を下から見上げた口腔内写真です。
歯列が左右に狭窄していて、V字型の歯列になっています。
右上が小児矯正治療開始前の下顎を上から見た口腔内写真です。上顎の歯列が左右に狭窄しているので、下顎の奥歯は左右とも舌側に倒れており、黄色矢印の下顎前歯部には叢生【凸凹の歯並び】が観察されます。
上記は小児矯正治療開始前のレントゲン写真(パノラマ)です。
4つの赤色矢印の部位を見てください。
いずれも上下左右の犬歯を指しているのですが、下顎の左右犬歯はすでに生えていて、上顎の左右犬歯も近いうちに生えてくる状態です。
みらい歯科・矯正歯科クリニックでは、小学校2年生頃(8歳前後)に小児矯正治療を開始することをお勧めしているのですが、理由は赤色矢印の永久歯の犬歯の位置にあります。
上下とも前歯4本が生えていて、永久歯の犬歯が生えてくるまでの時間的猶予がある8歳前後の時期に、上下の前歯の歯並びや噛み合わせのトラブルを解消しておくと、その後に歯並びや噛み合わせのトラブルが再発する可能性が低くなるからです。
この患者様は10歳6か月で小児矯正治療を開始しましたので、2年ほど遅れていたことになります。
最適時期である8歳前後を過ぎてしまうと、永久歯に生え変わった時にブラケット(ボタン)とワイヤーによる本格的な矯正治療が必要になる可能性が高くなってしまいます。
この患者様とご家族の方にも『小児矯正治療開始時期の問題から、永久歯が生えそろった後に、ブラケットとワイヤーによる本格矯正が必要になる可能性があります』とお伝えし、ご理解をいただきましたので、マイオブレイスなどの取り外し式の矯正装置による小児矯正治療を開始いたしました。
小児矯正治療を開始して6か月後の口腔内の状態をご覧になりたい方は以下をクリック
https://www.miraidc.com/blog/post-141/
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